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当プロジェクトについて

コロナ禍によって分断され、選択肢が限られている地域の文化的・言語的多様性を持つ若者(CLD⻘少年)の

学習課題を解決する為、2023年4月より「多様な学びの選択肢創造プロジェクト」が始動しました。

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調査について

質的・量的調査を通じて、学習の障害や学び方の希望を明らかにし、パイロット的に学びの場を新たに作りながら、具体的にどのような学びの選択肢が地域に必要か、実現可能な学習の選択肢を多くのステークホルダーと協力して考え、実現する基盤を築きます。

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対象について

調査はCLD⻘少年を主要な対象としつつ、広範な対象層(日本人を含む)を対象とし、地域に適した包括的な教育の場を創造し、体制を整備する提案を目指します。この過程で、さまざまなバックグラウンドを持つ人々を巻き込み、支援ネットワークを構築することも調査実施の目的の一つです。

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CLD⻘少年主導の市民性教育プロジェクト

当プロジェクトは、地域の課題を「自分ごと」として捉え、他者とともに考え、解決に向けて行動する「市⺠性教育」の一環と位置付け、当事者でもあるCLD⻘少年が中心となって事業を進め、当団体はそのプロセスを支援します。

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富山県内の外国人住民数は、2023年1月現在、97カ国・地域19,638人と過去最多を更新しました。

コロナによる入国制限もなくなり、新たに来日する人も増えています。

 

しかし、富山県においては、

外国にルーツを持つ日本語指導が必要な子どもたちには教育的選択肢がほとんどなく

学びを途中で断念せざるを得なかったり、学び直しの機会さえも高い壁に阻まれるような状況にあります。

 

例えば、富山県にはない選択肢の一つとして夜間中学がありますが、そのニーズについては

「要望も問い合わせもない」として、富山県にはないものとされてきました。

 

アレッセのような地域の支援教室では、これまでもそのニーズを把握し対応してきましたが、

絶対数が少ない(目立たない・見えない)が故に、県全体としては無視されてきたと言っていいでしょう。

 

一方で、富山にはなくて他県にあるものをそのまま導入すれば県内のニーズは満たされるのでしょうか?

 

地域の状況やそこに住む人々によって、

「何を求めているのか」「最善で可能な選択肢とはどんなものか」は違う可能性があります。

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富山県はいわゆる外国人散在地域ですが、

何も考えずにただ集住地域を真似すればいいとは限りません。

これまで富山県には「支援が必要な子どもが散在しているから指導の効率が上がらない。

日本語が分からない子だけを1箇所に集めて指導したらよいのではないか」と言う声も多くあります。

 

ですが、支援が必要な子どもが広域に散在する中でそれが本当に可能なのか、よく考える必要があります。

 

また、過去に高岡市で行われたインタビューでは、子どもたちや元子どもたちの声として、

周囲と切り離されることへの違和感や戸惑い、悲しみを訴えるもが少なくありませんでした。

​学びの選択肢創造のプロセス

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そこで私たちは、量的・質的調査によって、

富山県に住む当事者(外国ルーツだけでなく非外国ルーツも、子どもだけでなく大人も)の

埋もれている声を掘り起こし、多様な県民の学びのニーズを明らかにし、必要で可能な選択肢を考え、

さらにそれを実現するべく県(市町村)に対して提言しようということになりました。

しかも、この課題を「自分ごと」として捉え、

言葉や思考のチャンネルを複数持っている外国ルーツ青少年こそが、

このプロセスを担うのに最も適していると考えました。

もちろん「調査をする」「ニーズ対応をする」「提言をする」のは簡単なことではなく、

最初から全てが100%うまくいくわけではないと思います。

しかし、外国ルーツの調査員一人一人がこのプロジェクトを通して試行錯誤しながら成長していくことも、

アレッセの「市民性教育事業」の目的だと思っています。


本プロジェクトの調査員は、

パキスタン・ブラジル・中国・フィリピン・ロシア・イギリスにルーツを持ち、

富山県内に住む10代後半から20代の若者たち15名です。

ぜひ、応援よろしくお願いいたします。 

調査員の勉強会の様子

​当プロジェクトはCLD青少年が中心となり調査を実施します。調査への知識を深め、課題の提起や解決策の提案など、学びながら意見交換をする場として、月に1度調査員の勉強会を実施しています。

様々なルーツの調査員が、富山県内での学習の課題について話し合い、それぞれの強みを活かした調査を行っています。

110月進捗報告会

​提言について

2023年12月28日(木)に富山県の新田知事へ提言書を提出してきました。

提言書の「第4章」の提言を公開します。提言は提言1〜提言10とあり、一覧と詳細は、以下の通りです。

提言1

多様な学びの選択肢を整備して連続性を持たせ、寛容で柔軟な「富山型“多文化”インクルーシブ教育システム」を構築する

提言2

多様なニーズに対応できる新しい学びの場をつくる

提言3

今ある学校を変えるー「誰ひとり取り残さない」寛容で自由な学校・多様な個性を活かして他者と共に課題解決する学校へー

提言4

多様な個性を持つ教員を増やし、教員の多様な子どもへの理解・資質を向上する制度を整備する

提言5

生徒の個性を多様な観点から評価して学校に入りやすくする

提言6

経済格差が学びの格差にならないようにする

提言7

富山県の組織や企業が多様な個性を尊重し積極的に活かせる環境を整備する

提言8

情報格差をなくす

提言9

多様な県民が学び続けるため互いに支え合う地域のコミュニティづくりを進める

提言10

外国ルーツの当事者の声を教育に反映し、フィードバックする循環型の仕組みをつくる

24年2月事業報告会
&多文化交流会

プロジェクト報告書

報告書のPDFを公開します。(ダウンロード不可)

引用または紙の報告書をお求めの方は、info@alece.orgまでご連絡ください。

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